はじめまして、中小企業診断士で経営コンサルタントの谷口清隆です。
このページをご覧いただいているということは、社員の育て方や接し方に何かしらの課題をお持ちかと思います。
毎日の業務に追われると、思い通りに進まない問題・どう対処すれば良いかわからない課題に直面することは多くなります。
そんなときに、「本当は何に注力すべきなのか?」を見極めることが非常に重要なことです。
特に、社員に対して指導や指示ばかりしていると、“本質的な問題を明らかにしないまま”になってしまう可能性が高いです。
そうならないためにはどうすればよいか?
それをここではお伝えしていきます。
事例
まずは、実際の事例をご紹介します。
事例1困った社員と言われていたAさん
1つ目の事例は、忙しい上司のもとで働く「Aさんの仕事の質を上げたい」というご相談。
Aさんが抱えていた課題には以下のようなものがありました。
- 【Aさんが抱える課題】
-
- 仕事の納期に遅れることが多い
- 指示された内容を忘れることが多い
- 指示と異なる作業をしてしまうことがある
- 仕事のことを考えると吐き気をもよおす
- 顧客からの指示に対して不安を感じる
私はAさんと共に、この問題に対して、一つひとつの課題の解決策を見つけるのではなく、根本原因の特定を進めました。
その結果、以下の問題が特定できました。
- 【問題の根本原因】
-
- 仕事によってかかる時間が上司とAさんの間で“ズレ”がある
- 想定する時間よりも作業時間が長くなると上司は不満を感じてしまう
- 上司はAさんの作業時間を把握していないのでサポートを後回しにしてしまっている
そこで、問題を解決する方向性として
- 仕事に要する時間について上司と自分の認識を一致させること
…を導き出しました。
これにより、Aさん個人の問題ではなく上司とAさん2人で課題に向き合い、解決を図ることができたのです。
事例2未経験の仕事を任され悩んでいたBさん
2つ目は、これまで経験の無かった仕事を任されて、不安を持っていたチームリーダーBさんの事例です。
以下のような課題を抱えていました。
- 【Bさんが抱える課題】
-
- 新商品が思うように売れず、販売促進チームを結成することになり、そのリーダーに抜擢されたBさん
- 毎週チームのメンバーで会議を行っていたものの、未経験のことでほとんど進捗が無い状態だった
- 社長の期待には応えたいが、このままでは上手くいかないと感じていた…
社長も未経験のことは承知していたので、実践して経験を積む中で成長することを望んでいたのです。
これらの課題に対して、まずは問題を特定することから始めました。
- 【問題の根本原因】
-
- 「販売促進の目標を達成すること」と「販売促進の経験を積むこと」のどちらを優先すべきか分からない状態にあった
- 販売促進活動の中には、「チームメンバーだけでは対処が難しいタスク」と「チームメンバーだけで対応可能なタスク」が混在している
このような問題を特定することができたので、以下の解決の方向性を導き出しました。
- 社長と販売促進プロジェクトの目標を共有する
- 社長から必要なときに必要なアドバイスを得られるような機会を持つ
- さらに、アドバイスをもらうときは受け身にならないようにするために、前回とは異なる点を明確にした上で質問をする
こうすることで、チームだけでは解決できないタスクにも対応できるようになり、さらに、Bさんがチームリーダーとして能動的に活躍でき、成長できるような環境を整えることができました。
なぜ、人材育成は難しいのか?
「人を育てるのは難しい…」
このような思いがあるとしたら、それは、一つひとつの問題を別々に解決しようとしているからかもしれません。
問題には、根本原因となる対立構造が潜んでおり、その対立を解消しなければなりません。
「何に集中すべきか?」を明らかにすることが欠かせないのです。
先ほどの【事例1】の問題で解説します。
社員Aさんの問題として挙げられていたのは、
- 仕事の納期に遅れることが多い
- 指示された内容を忘れることが多い
- 指示と異なる作業をしてしまうことがある
- 仕事のことを考えると吐き気をもよおす
などでした。
これらの問題を一つずつ解決しようとすると、解決策をいくつも考える必要がありますし、時間もかかります。
複雑に絡み合った問題を解きほぐす
そこで、Aさんの問題を図解化し、俯瞰して見てみます。
すると、Aさんは「組織の一員として活躍していきたい」という目標があることがわかり、そこにすべてつながっているものだと見えてきました。
そして、根本的な問題はAさんが上司に支援を「求める」「求めない」という2つの対立構造が潜んでいるのだとわかりました。
この2つの問題を解消するために「仕事に要する時間をAさん・上司ですり合わせる」ことが解決につながるのだと見えてきます。
とてもシンプルな解決策へとつながったのです。
このように、問題の対立構造を理解して、適切な解決策を見つけることが問題解決の最短ルートなのです。
問題を日々の行動へつなげる
「意味はわかるけれど、本当にできるのか?」
実はこのような疑問を持つ方もいらっしゃいます。
企業向けのセミナーや研修では、学べることは多いかもしれませんが、それを行動へとつなげられるかどうかは別の話です。
「理解」はできても「実践」にまでつながりにくいというイメージです。
だからこそ、一般的な人材育成では足りない部分を補うために、私は実践・行動にまでつなげるためのサポート(ビジネスコーチング&研修)を行っています。
そして、本当の問題を明らかにするために“思考プロセス”という手法を活用しています。
本当の問題を解決するための
“思考プロセス”とは?
解決策が見出せない状況を打破するためにはどうしたらいいのか?
その手段こそが“思考プロセス”です。
解決策が見つからない問題には、たいてい【対立構造】が潜んでいます。
思考プロセスを活用することで、この対立構造を図解化され、問題が目で見てわかるようになります。この「目で見てわかるようにする」ことは、問題解決をおこなう上でとても重要です。
なぜなら、当たり前かもしれませんが、頭の中で構造を組み立てるよりも、目で見た方が格段に理解しやすくなるからです。
先ほどのAさんの図を再度見てみましょう。図にすると、問題が可視化されるので解決策も見つけやすくなります。
さらに、問題点を図解化することで、対立構造が「自分vs相手」ではなく、「自分と相手vs問題」という構図になります。
たとえば、先ほどのAさんの事例でいえば、図解化する前は「Aさんvs上司」という構図になっていました。
それを図解化してみると「Aさんと上司vs問題」という構図になります。
これにより、対立を解消するための問題点が明確になり、解決策がスムーズに見つかります。
この方法は、世界的なベストセラー『ザ・ゴール』『ザ・ゴール2』などで有名なゴールドラット博士が考案した考え方です。
『ザ・ゴール』は国内でシリーズ累計125万部突破、全世界で1,000万人以上が読んでいるビジネス書です。
『ザ・ゴール2』で思考プロセスの考え方が発表され、会社の問題だけでなく、日常生活の問題解決まで幅広い場面で使われています。
当社ではこの思考プロセスを使い、根本的な問題点から解決策まで見つけるお手伝いをしています。
4つの違い
一般的なビジネスコーチングや研修と異なる点についてお伝えします。
全世界で使われる「思考プロセス」で問題を解決していく
『ザ・ゴール』の思考プロセスは問題解決に特化しており、全世界で活用されています。
机上の空論ではなく、実際に直面している問題を取り上げて活用していくので、現実的な解決策を導き出すことが可能です。
また、私自身、思考プロセスに関する認定証も取得しています。
※「思考プロセス」については、
コミック版も出ているのでオススメです。
「問題を可視化」することで行動ベースの解決策が見つかる
私が提供するサービスでは、問題を図解化します。
図解化することで、問題の対立構造や因果関係が可視化され、「どうすれば解決できるのか?」を行動ベースで考えることができるようになります。
だからこそ、納得するだけにとどまらず、すぐに実行に移して問題を解決できるのです。
ただ問題を可視化するだけではなく、日々の問題や課題を「解決するための行動につなげる」というのがポイントです。
「思考の過程」が残るので、同じ問題を考える必要がなくなる
思考プロセスを使った問題解決では、図として問題解決の過程が残ります。
これにより、同じ問題や似た問題が発生したとき、解決策にすぐに辿りつくことができます。
過程を残しておかないと「あのときはどうやって解決した?」と、また問題になるケースも少なくありません。
同じ問題について何度も頭を悩ませる必要がなくなれば、会社全体の効率化にもつながります。
「学び」と「行動」のギャップを埋められる
組織の問題を解決するためにいろいろな考え方を学んだとしても、行動につながらなければ意味がありません。
その点、思考プロセスは問題解決に特化した方法なので、実行可能な解決策が見つかります。
さらに、個々の問題に合わせて解決策を見つけていくので、行動に移しやすいのも特徴のひとつです。
たとえば、「AさんならAさんに合った解決策」「BさんならBさんに合った解決策」が見つかるので、実行に移しやすいのです。
サービス内容
「ビジネスコーチング」と「研修」の2つのサービスを提供しております。
思考プロセスコーチング
思考プロセスを使った問題分析と解決策の設計支援に特化したサービスです。
受講者が抱える仕事上の問題について、思考プロセスを使って分析し、解決策を導き出します。
思考プロセスの概要は説明しますが、詳細を教えたりはせずに問題解決をメインに支援していきます。
- 内容
①半日×5回のコーチングを実施
②オンラインでのマンツーマンサポート
③必要に応じてメールでもサポートを実施
④成果物として一緒に作成した問題分析資料を提供
思考プロセス研修
研修では、ビジネスコーチングの内容に加えて、思考プロセスの活用方法についても詳しく指導していきます。
思考プロセスのテキストを提供し、トレーニングしながら思考法を身に付けていただきます。
自社の問題を解決したい方はもちろんのこと、「思考プロセスを本格的に勉強したい!」という方におすすめのコースです。
- 内容
①1日×5回の研修を実施
②オンラインでのマンツーマンサポート
③必要に応じてメールでもサポートを実施
④思考プロセスのテキストを提供
2つのコースの概要まとめ
ビジネスコーチング | 研修 | |
問題分析と解決策の提示 | 〇 | 〇 |
思考プロセスに関する指導 | × | 〇 |
問題分析資料の提供 | 〇 | 〇 |
サポート回数 | 半日×5回 | 1日×5回 |
料金(税抜) | 30万円 | 50万円 |
サービスの流れ
サポートの進め方や使用するツールの説明、解決したい問題のヒアリングなどをおこないます。
支援可能と判断した場合には、本サポートのご案内をさせていただきます。
もしご支援が難しそうな場合には、無理にご案内することはありませんのでご安心ください。
その後、本サポートへと進んでいきます。
受講者の声
以前、実施した研修の際にいただいた声についてご紹介します。
プロフィール
経営コンサルタント
中小企業診断士
合同会社福慶 代表社員
谷口 清隆
大学卒業後、大手乳業メーカーにて研究開発や品質管理、製造を担当。その後、転じた中小食品メーカーでは工場長を拝命。中小企業診断士の資格取得後、大手コンサルティングファームに入社。
2010年にコンサルタントとして独立。2014〜2018年は『ザ・ゴール』のTOC(制約理論)を専門とするコンサルティングファームのメンバーとしても活動。2014年には、妻と共に食品製造小売業も創業。
現在は、中小企業を中心に経営のサポートを行っている。
【公的機関の支援実績】
2019年:農林水産省 食品産業イノベーション推進事業(TOCの製造ソリューション導入)
2019年〜2021年:福岡県中小企業生産性向上支援センター アドバイザー
2020年〜2022年:中小企業診断士登録養成課程 指導員(生産管理論担当)
2021年:理論政策更新研修 講師(テーマ:中小企業の生産性向上支援)
2021年〜:(独)中小企業基盤整備機構 中小企業アドバイザー
最後に
ここまでお読みいただきありがとうございます。
会社が抱える組織の問題は本当にさまざまです。
問題が多すぎるからこそ、「あれを解決しよう」「これを解決しよう」と目の前の問題だけを解決しようとしてしまいます。
しかし、それでは解決にとてつもない労力と時間がかかってしまいます。いつまでも同じような問題が発生し、時間ばかりが過ぎていく…なんて事態にもなりかねません。
その状況は、たとえるなら、天井の雨漏りをバケツで受けているような状況です。雨漏りしている箇所を探し出し修繕しなければ、本当の解決とはいえません。
人材育成の問題は、根本原因を見つけることが難しいものです。
だからこそ、第三者の視点から思考プロセスを用いて、組織の本質的な問題を見つけることが問題解決のカギとなるのです。
もし、今あなたが、
「社員自らが積極的に行動できる会社にしていきたい」
「組織全体のレベルアップを図りたい」
そうお考えでしたら、ぜひご相談いただければと思います。
思考プロセスを活用した問題解決法で、組織の悩みを解消いたします。